胃痛下痢

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「胃痛と下痢」が同時におきたら… 対処方は?なにかの病気なの?

公開日
更新日

 
執筆:南部 洋子(助産師・看護師・タッチケア公認講師)、Mocosuku編集部
医療監修:株式会社とらうべ
 
 
胃痛も下痢も、それぞれひとつだけでも、肉体的には厳しい状態ですよね。
 
しかし胃痛と下痢が同時に生じた場合は、どうすればいいのでしょうか? また、その場合何の病気が考えられるでしょうか?
 
胃痛と下痢について、原因などを詳しく見ていきましょう。
 
 

胃痛と下痢が一緒に起こった場合

 
胃痛と下痢が同時に起こる場合、どのような病気が考えられるでしょうか?
 
可能性がより高いのは、急性胃腸炎です。急性胃腸炎では、胃と腸が炎症を起こしていることから、消化機能が働かなくなり、食物が充分に消化されずに、胃痛と下痢の症状が起こります。
 
では、急性胃腸炎は、どうしておこるのでしょうか?
 
 

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胃痛と下痢を引き起こす急性胃腸炎とは

 
急性胃腸炎は、胃痛、下痢が一過性に生じる病気です。主な原因としては以下のとおりです。
 

  • ・ウイルスや細菌の感染
  •  

  • ・刺激物の摂取
  •  

  • ・暴飲暴食
  •  

  • ・薬の副作用(抗生剤、非ステロイド系鎮痛剤)
  •  

  • ・ストレス


 
 
胃痛と下痢の原因を特定するのは難しい場合もありますが、以上のように急性胃腸炎になる要素がなかったかどうかを振り返って、その原因を除去することも治療と並行して必要なことです。
 
 

急性胃腸炎:ウイルス・細菌が原因の場合

 
胃痛と下痢を引き起こす急性胃腸炎を引き起こすウイルスは、多くの場合以下の経路で感染します。
 

  • ・ウイルス汚染された手で調理したものを口にする
  •  

  • ・ウイルス汚染された二枚貝を生の状態や加熱が不十分な状態で食べた
  •  

  • ・ウイルス感染者の汚物の処理によりウイルスを触って体内に入るか、飛沫したウイルスを吸い込むなど

 
細菌が急性胃腸炎の原因の場合、熱の加え方が充分でなかった肉、海産物等、古くなった食品、殺菌が充分でない水、ペット等から感染します。
 
潜伏期間は、ウイルスや細菌によって異なりますが、ウイルス性は、1~3日と短い場合が多いようです。
 
細菌については、1~10日と長めのものも多いようです。
 
 

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胃痛と下痢が起こった時の対処法

 
胃痛と下痢の対処として重要なことは、炎症を起こして消化機能が弱っているため負担をかけないことです。半日から1日程度、食事は摂らず回復を待ちましょう。
 
胃痛が治まるまでの数日の間は、消化の良いもの(おかゆ、うどん、スープ等)、塩分がすくないもの、脂肪分が少ないものを摂り、胃への負担を最低限にしましょう。
 
下痢は体の水分が失われるので、水分補給をこまめに行いましょう。

 
また、脱水症状を予防するためには水分以外にも適度な塩分、カリウムの補給が必要です。
 
そのためには、常温の経口補水液等を1回に10~20mlくらい、30分毎くらいを目安に少しずつ飲むと良いでしょう。
 
 
経口補水液は、以下のような方法で、家庭で簡単に作ることができます。
 
・1リットルの湯冷ましに、砂糖40g、食塩3gを溶かし、飲みやすい温度にする
(レモン、グレープフルーツ果汁を少し加えると、カリウムの補給もできます)
 
医療機関では、吐き気止め、整腸剤など、胃痛・下痢の症状に応じて薬が処方されます。ウイルスに直接的に効果のある抗ウイルス剤はありませんが、細菌については抗生剤が処方される事もあります。
 
 

胃痛と下痢が起こった時の注意点

 
胃痛が2~3日安静にしてもおさまらない場合や、胃痛、下痢が悪化する場合、膿性の便、血便などが出る場合は、医療機関を受診しましょう。
 
暴飲暴食のように、既に胃痛の原因が特定されている場合は別ですが、胃腸薬や下痢止め等の薬は、ウイルスや細菌が原因の場合もあるので自己判断で服用すると危険です。
 
有害なウイルスや細菌を排出するために下痢という形で体が反応をしているのですが、この動きを止めてしまいます。
 
安静後、胃痛と下痢が治った際にも、薄味を心がけ、香辛料のきいたもの、脂の多いもの、炭酸、冷たいもの等、胃痛の原因となる胃に刺激を与えるものは、極力避け、再発しないように気をつけましょう。
 
 

胃痛があるときにはどこを受診すればよい?

 

内科を標榜しているクリニックならば、診てもらえます。
 
胃に関して専門の診療科は、胃腸科、消化器内科、消化器外科です。
 
胃痛の痛み止めだけをもらうためならば、近くの内科で十分ですが、胃が痛い、ということで受診しても、実は心臓に問題があった、などという場合も少なくありません。
 
そのため、原因を調べてもらいたい場合は、胃の内視鏡検査ができるところを選びましょう。胃腸専門病院では、その設備がありますし、ほかの検査もしてもらえます。
 
大学病院や総合病院を受診したい場合は、まずクリニックを受診しましょう。
 
大病院へ受診する必要があれば、紹介状を書いてもらうことができます。
 
 

胃痛の検査・診断:血液検査、レントゲン検査

 
胃痛があって受診した場合でも、すぐに内視鏡検査をするわけではありません。
 
なぜなら、ひとくちに「胃が痛い」と言っても、いろいろな原因が考えられるからです。もしかしたら、精神的ストレスから起きていることかもしれません。
 
そこで、医療機関では次のような検査も行います。
 
 

血液検査

 
全身状態や内臓の炎症の有無などを知ることができます。前日の激しい運動は避けましょう。
 
 

胃のレントゲン検査

 
胃の形や影などを見るために行います。造影剤であるバリウムを飲み、胃をX線に写します。胃潰瘍や胃がんの検査をする場合は、胃を空気や炭酸ガスで膨らませます。
 
黒く写る部分を作り出し、白く写ったバリウムとのコントラストをみる「二重造影法」で、細かな病変を写し出します。
 
 

胃痛の検査・診断:内視鏡検査

 
胃の内視鏡検査では、内視鏡を口もしくは鼻から胃の中に入れて、先端の小型カメラを用いて胃の中の様子をモニターに映し出します。「胃カメラ検査」ともいわれます。
 
検査時間は5分~15分位です。簡単に手順を紹介しましょう。
 

  • 1. 消泡剤(白い液体)の飲む
  •  

  • 2. 喉の麻酔薬をゆっくり飲む
  •  

  • 3. 検査台で身体の左側を下にして、横向きになる
  •  

  • 4. 胃の動きを止める注射をする
  •  

  • 5. 鎮痛剤を注射することもある
  •  

  • 6. 喉にスプレーで麻酔をする
  •  

  • 7. マウスピースをくわえる
  •  

  • 8. 医師が内視鏡を挿入する
  •  

  • 9. 空気を入れて胃をふくらませるので、ゲップを出さないように深呼吸する

 
 
また、注意事項は以下です。
 
〇前日
 
・前日の夕食は軽めにして、午後9時以降は飲食禁止
 
・早めに就寝する
 
 
〇当日
 
・飲み物は水のみ可
 
・常備薬などがある場合は、事前に医師と相談すること
 
・着替えやすい服装で検査に行くこと
 
・自分で運転して車で行かないこと、また帰りも、車の運転は禁止すること
 
・気分が悪くなったらすぐ医師にいうこと
 
・飲食は1時間後から可能である
 
・はげしい運動は避けること
 
・お風呂はシャワー程度ですませること
 
そのほか医師からの指示があるときには、しっかり守りましょう。

 
 

<執筆者プロフィール>
南部 洋子(なんぶ・ようこ)
助産師・看護師・タッチケア公認講師・株式会社 とらうべ 社長。国立大学病院産婦人科での経験後、とらうべ社を設立。タッチケアシニアトレーナー

 
<監修者プロフィール>
株式会社 とらうべ
医師・助産師・保健師・看護師・管理栄養士・心理学者・精神保健福祉士など専門家により、医療・健康に関連する情報について、信頼性の確認・検証サービスを提供

 
 

編集部オススメリンク(外部リンク)

 
関連した情報として以下のものがあります。ご参考にしてください。
 
◆日本消化器病学会のホームページでは、ストレスと胃腸の病気というページで、写真や図も用いた詳しい解説がご覧いただけます。
 
◆胃腸炎などを医師が説明する動画
 

 
◆Mocosuku姉妹サイト
 
「十二指腸潰瘍の症状とはどういうもの? 胃潰瘍と似ているの?」
 
胃潰瘍の症状をチェック ! 胃潰瘍の早期発見の為に! をご覧ください。
 
胃痛と吐き気 の原因は? 大きな病気が潜むこともあり要注意! をご覧ください。
 
逆流性食道炎の薬 :症状の原因ごとに薬剤師が解説。市販薬も を参考にしてください。
 
「胃がんの初期症状とは? 早期発見、早期治療を実現する為には」
 

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